2005/12月号

 食べ物を食べるとき、
  何か味をつけて食べるようになったのは、
               人類の知恵である

いつの頃から、動物や植物を煮沸したり醸造した調味料で味付けをして食欲が出るような食の文化を発達させて来たのだろう。調味料は醤油、砂糖、味噌、ソース等を指すが、それに俗に云う“うまみ”を加えて芳醇な味覚を作り出しながら更なる食の豊かさを追求して来た。

 “だし”の本質はアミノ酸系のグルタミン酸と核酸系のイノシン酸がその主成分であることは解明されている。グルタミン酸はドイツのリットハウゼン(1886)によって発見され、日本でも池田菊苗博士が明治41年(1908年)昆布の中より発見した話は有名である。


鰹節のうまみの正体が
イノシン酸のeスチジン塩であることが
(大正
2年−1913年)
児玉新太郎博士によって確かめられている。

ことに日本はモンスーン地帯の恵まれた海洋国で各種のうまみ成分が海から採られている。“だし”の抽出は色々なものから出来るが、司馬遼太郎氏はその著書『菜の花の沖』の中で日本の三大だしの素は、北海道の昆布、瀬戸内海地方のいりこ、土佐から遠州灘、相模地方までの鰹節に代表されるという。

流通の不十分な時代はそれぞれのだしの食文化圏を形成している。

昆布だしは北海道で産した昆布を
北前船が卸していった地方に集中する。
日本海沿岸の村落、瀬戸内海を経由して京、
大坂に入ってくる。
京、大坂の昆布料理は枚拳いとまがない。

いりこだしは瀬戸内地方及び温暖な沿海地で
重宝されている。
私共はこれらの隠れた味で
いろいろな料理に舌鼓を打っているわけだ。


勿論食文化の交流は文明の発展と共に各地に拡散して境界等は判りなっているが、京の鰹味、西の昆布味はベーシックに残っているようだ。

殊に麺類の代表の蕎麦の味“江戸つゆ”は圧倒的に鰹節であろう。だしの味そのものは次に譲るとして、皆さんも各地に旅をした時、鰹味なのか、昆布味なのか、あるいはいりこ味なのか、楽しんでみては如何でしようか。日本の味はこんなに微妙で繊細な素晴らしいものかということを再確認されるのではないでしょうか。

※ページ中の写真は、創業昭和9年 業務用削節メーカーの
『うつぼや池田食品株式会社』様
の提供です。


うつぼや池田食品株式会社
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